東芝のREGZA Z730を購入して1年以上たちました。
外付けのレコーダーで全録が利用できる機種は比較的多く存在しますが、テレビ本体に付属する録画機能で全録が行えるのは国内大手メーカーでは東芝のREGZAくらいのため、大変重宝しています。地上波の録画機としてみたときのREGZAは、かなりトップを走っているように感じます。
その一方で、REGZAをホームネットワークに接続した際のICT機能はかなり貧弱で、やりたいことがやれないというシーンに多々遭遇します。この記事ではその際のトラブルシュートを覚書として残します。
目次
前書き
- 一口に「REGZA(レグザ)」といっても、①「REGZA(テレビ)」と②「REGZA(外付けレコーダー/プレーヤー専機)」の2種類がある。これらを混同してしまうとトラブルシュートが思うように進まない罠にはまる。以降、単にREGZAと表記する場合は①「REGZA(テレビ)」を指すものとしてまとめている。
- ※ちなみにPanasonicではテレビのことを「VIERA(ビエラ)」と呼び、レコーダー専機のことを「DIGA(ディーガ)」と呼び分けている。ネーミング設計がはるかに分かりやすく、東芝は見習ってほしい…。
- 素人のまとめなので、有識者からの補足や指摘については大歓迎です。
トラブルシューティング
「スマホdeレグザ」でテレビ内の録画データのリストがグレーアウトし、動画を再生できない
スマートフォンアプリ「スマホdeレグザ」は、上述の②「REGZA(外付けレコーダー/プレーヤー専機)」での利用を想定しています。テレビのREGZAには原則として対応していません。
(参考)スマホdeレグザ(App Store)
(参考)スマホdeレグザ(Play ストア)
*1:対象機種は以下の通りです。
DBR-M4008/M3009/M2008、
DBR-T3008/T2008/T1008、
DBR-W2008/W1008/W508/W2009/W1009/W509、
DBR-T1009、
DBR-UT309/UT209/UT109、D-M210、
DBR-M4010/M3010、
DBR -W2010/W1010/T2010/T1010
(2021年10月現在)
ベースのアプリ「Dixim Play(Android版)」では再生できることからおそらく技術的には再生は可能であるものの、もし対応してしまうとREGZA(外付けレコーダー/プレーヤー専機)を買う人が減ってしまうのでこの塩対応措置と思われます。
- トラブル解決オプションをいじればOK!
- 長押し選択すればOK!
などいろいろな情報がネット上にありますが、「スマホdeレグザ」はREGZA(テレビ)では使えないものとさっぱり諦めたほうが良いです。
再生確認できた機器・アプリ
REGZA 43Z730X上の録画データを再生確認できたものは次の通りです。
アプリ | 再生可否 |
スマホdeレグザ (iPhone) | ×再生不可 |
スマホdeレグザ (Android) | △再生できる場合あり 番組名を長押し→[先頭から再生する] |
Dixim Play (iPhone) | ×再生不可 |
Dixim Play (Android) | 〇再生可 |
Dixim Play (Anker nebra) | ×再生不可 |
テレビアプリが強制アップデートによってDixim Playになったことにより、pop in aladdin では再生できなくなりました。 | |
Dixim Play (pop in aladdin) | ×再生不可 |
外部NASにコピーした動画がREGZA(テレビ)で再生できない
REGZAが持つDLNAプレイヤー(DTCP-IPプレイヤー)としての機能はかなり貧弱なので、例えREGZA自身で録画した動画であっても、外部NAS側に移した動画は基本的に再生できません。
外部NASに配置した動画(.mp4等)がREGZA(テレビ)で再生できない
上と同じく、REGZAが持つDLNAプレイヤー(DTCP-IPプレイヤー)としての機能はかなり貧弱なので、NAS上の多くの動画データは再生できません。動画の解像度やファイルフォーマットなどにかなり厳しい制約があります。
REGZA単体でアレコレ試すより、代替策としてFire Tv Stickを購入してアプリ「Kodi」を入れることをおすすめします。KodiではNAS領域上の.mp4形式の動画ファイルはもちろん、DVDデータ(.iso形式)の動画再生もできるので超強力なメディアプレイヤーが完成します。チャプター移動や字幕の切り替えも可能です。「+4,000円の追加出費かぁ・・・いやだなぁ」という発想ではなく、「+4,000円で並のREGZAをフラグシップモデル(最上位機種)に交換できる!」という気持ちに切り替えるとたぶんポチれると思います。
Fire TV Stick
Kodi
用語集
これまでのトラブルシュートで得られた理解をざっくり用語集としてまとめました。
DLNA
メディアコンテンツ(画像、音声、動画)を配信するための通信規格のこと。
※正確にいうと、DLNAは業界団体だが説明簡易化のため割愛。
DLNAサーバー
メディアコンテンツ(画像、音声、動画)を保持・管理し、プレイヤー側の再生要求に応じてコンテンツを配信する機器のこと。
DLNAクライアント(DLNAプレイヤー)
DLNAサーバー側が持つコンテンツを再生する機器のこと
DTCP-IP
動画の著作権を保護するための暗号化技術のこと。主に日本の地上デジタル放送の配信データに使われている。ハードウェアやソフトウェアがDTCP-IPに対応するにはDTLA※という団体に有料ランセンスを受けて暗号化鍵や復合鍵を埋め込む必要がある。有料アプリ「Dixim Play」が金をとるのはこのせい。
※インテル、日立、パナソニック、ソニー、東芝の5社団体
DTCP-IPサーバー
DTCP-IPで暗号化された動画を配信する機器のこと。DLNAに対応しているサーバでもDTCP–IPに対応しているとは限らない。またDTCP-IPに対応していても、2種類の配信方式(非圧縮方式と圧縮方式)の両方の対応しているとは限らない。
DTCP-IPクライアント(DTCP-IPプレイヤー)
DTCP-IPサーバが持つ暗号化動画を再生する機器のこと。暗号化動画の再生要求をサーバー側に送る際、クライアントの多くは圧縮方式での配信を要求する。サーバー側が圧縮方式に対応していない場合は再生できない。